Short Story: Coral Ring | ALY C.

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Coral - コーラル
 
 
昼間の熱を少し持った肌に、風が気持ちいい、
1日の中でも一番優しい時間帯。
サンセットを見に、ビーチまでやってきた。
 
まだ日が沈むまでには時間があって、
裸足の足が、ひんやりとした砂浜に沈んでいく。
 
 
ハワイ ビーチ

 

こうやって、海の中から陸に打ち上げられたものを見ては、
自分が綺麗だと思うものを手にいっぱいにすることは、
小さい時から好きだった。
 
ふと、足もとに目にした、真っ白い小さいけれど、
力強くゴツゴツとしたサンゴ(珊瑚)のかけら。
 
潮の満ち引きで美しい枝を作り、
母なる海が生み出した造形美には、
海の力が宿るとされ、
古代より世界各地で宝飾品として愛されてきた、と
どこかで読んだ。
 
 
ハワイ 珊瑚

 

このまま海に戻したら、
今にも軽やかに踊り出しそうなコーラルだけど、と思いながら、
 
手の中の貝殻とぶつかって壊れてしまわないように、
そっとポケットにしまいこむ。